my little underground

世を儚む地下生活者が珍文・奇文の類いを日々量産しています

HOSTESS CLUB ALL-NIGHTERを観る

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えーとアタクシ、自分で言うのもナンですが、割と幅広く音楽を聴いている方ではないかという自負があったりします。洋邦・新旧問わず、かなりの雑食(悪食?)リスナーで、かつライブ観に行くのも好きな開きこもり系ですが、何故か今まで夏フェス的な場とは縁遠かったんですな。これは学生時代の終わりが初期フジロックの時期と重なっていて、そのままバタバタと社会に出て忙しくしていたおかげで、次第に市民権を得ていく夏フェスなるものの波に完全に乗り遅れちゃったからではないかと自己分析しておるんですが、まあそんなことはどうでもよろしい。

 

その波に四十も半ばを過ぎたアタクシがようやく乗るという記念すべき日がようやく来たんですよ。

 

(HOSTESS CLUB ALL NIGHTERが純然たる夏フェスであるか否かは、この際一旦横に置かせてはくれまいか)

 

 で、当日。その日は夜まで仕事。しかも雨の中というバッドコンディション。とりあえずダッシュで終わらせて、即帰宅。シャワーを浴びて着替えて、夕飯を取る間もなく再出撃。強く雨が降る中、幕張を目指します。

 

海浜幕張の駅に着く頃には雨も止んでいて、ちょっとホッとするものの「折りたたみ傘邪魔だなあ」とか考えつつ会場のメッセへてくてく歩く。

 

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 そしてメッセ到着。サマソニの看板を観て一人ブチ上がるアタクシ。うひひ。

 

多少並んだものの、割とすんなり会場にin。会場内は空調も効いててすこぶる快適。そして結構な人出。今回のラインナップでも人って集まるもんなんだなあ。業の深そうなマニアばかり集まってるのかと思ったら、豈図らんや、老若男女各種取りそろえ。客層を一言で言い表すのはちょっと難しいくらいのるつぼ感。まあさすがにパリピっぽい人はいなかったけれども。

 

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 そしていきなりRIDEと接近遭遇するアタクシ。キャーマークさーん(*´ω`*)(アンディはカメラの影にいる模様)

 

んで、ライブ。

 

  • Cigarettes After Sex

時間の都合で数曲だけちょろりと。本当は全編観たかった。ステージセットもライティングもシンプルでダーク。ダークというか端的に暗い。そして演奏もシンプル。地味なんだけど「そういうのが演りたいんですけど、何か?」という強い意志を感じるサウンド。こりゃ人気あるはずだわ。カッコいい。

 

結局このバンドも時間の都合で全編観られず。グギギ。でも一番好きな楽曲「Sea within a sea」は聴けたのでとりあえずは満足。音もルックスも思ったよりは全然派手。特にギターは音源で聴くより数段カッコよかった。うーむ、これはフルセット観たいぞ。新作引っさげてのジャパンツアー、オナシャス。

 

  • RIDE

もう最高でございました。結局、全編観たのはRIDEのみ。トータル70分位かな。最新アルバムからの曲も混ぜつつ、新旧名曲揃い踏み。途中、アンディがギターの出音が気になるらしく足元のボードをしきりに操作する場面があったけど、聴いているこちらは特に違和感なし。ただひたすらに心地よさを味わっておりました。来年2月にワンマンがあるそうなので(マークがMCで言ってた)全ツアーしちゃうか。

 

  • St.Vincent

RIDE終わってダッシュで移動。終盤数曲だけ目撃。どういうバンド編成なのか楽しみにしてたら、まさかのソロセット。しかもかなり素っ頓狂なルックス。そしてバックの巨大モニターにはがっちり作り込んだ異様なまでにコンセプチュアルな映像。くー、これも全編観たかったヤツじゃん!やっぱり今回のタイムテーブルはアタクシには酷すぎるのじゃよ~(泣) それはさておき、バックの映像は観てる内にトーマス・ルフの作品を思い出してみたり。色彩から内容までとにかく全てにおいてカリカリに鋭角。これはワールドツアー、スゴいことになるんじゃないでしょうか。

 

このあたりからかなり身体的にキツくなってきたような記憶。ライブ途中から最後方で座って観戦。しかしMogwai、とにかく音がデカい。PA卓脇で110dBというTweetを見掛けたので、事実ならジェットエンジンの騒音より多少マシってレベルじゃないスか!最前列付近なんて音圧で人死にが出るレベルじゃなかろうか。そんな中でもアタクシの周りではグースカ寝てる猛者がゴロゴロいらっしゃったのでちょっと笑う。

 

  • Beak>

ジェフ・バーロウのバンド。プログレのような、ミニマル・ミュージックのような、それでいてクラシカルな佇まい。なんとも不思議なバンド。途中、MCで自分で言って自分でウケる、を繰り返していたが相当しょうもないことを言ってた気がする。

 

  • BLANCK MASS

Fuck Buttonsの人のソロユニットらしい。音的には多少成る程感があるものの、個人的にはそれ程でもなかったかなあ。これならFuck Buttons観たいッスよ。あたしゃ「Tarot Sport」というアルバムが好きなのです。

 

というワケでMatthew HerbertのDJ以外は、なんだかんだで一通り目を通してしまったというフェス初体験でありました。まあ当然の如く終盤は座ったままちょいちょい気を失っていたんですけども。しかし総じて満足度高し。アクトの豪華さは言うに及ばず、ホスピタリティも不満点ゼロ。屋内だから涼しいし、疲れちゃったらダラダラしててもよさそうなフリースペースもかなりある。食い物・飲み物もあんまり並ばずに買えるし種類も豊富。トイレも豊富。とりあえずフェスにちょっと行ってみたいという人には相当オススメできるんじゃないでしょうか > HOSTESS CLUB ALL-NIGHTER

 

実は途中から、会場内に溢れるこの感覚になんか既視感があるなあと思っていたんだけど、コレって初めて行った夏コミの時の感覚に似てるんだなあ、と。参加者全員に「音楽好き」っていうベースがあって、その上でゆるい連帯感があり、みんな好き勝手に楽しんでる感じ。こんなに楽しいならもっと早く足を運べば良かった。来年もメンツが良かったら是非行こうと思います。