my little underground

世を儚む地下生活者が珍文・奇文の類いを日々量産しています

映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』がちょっといい

と言っても「大傑作!!!」と言い切れる内容ではないワケでして。

 

(映画の内容にガンガン触れていきますので、一応折りたたみます)

 

 

主人公が逃してしまった魔法動物たちの捕獲話と、人間界で破壊して回っている謎の正体を追う話の二つのラインがあまり絡んでこないので一応の決着シーンにカタルシスがあんまり感じられない…とか、その決着シーンもレイシズムのメタファーとして考えるとあまりにも「え?」っていう解決方法で正直「むむむ」って思ったし(アレこそが現代社会のモードなのだ!って言われたら黙るしかないス。すんません)、ミエミエの伏線としてのメディア王一家の扱いはあんだけ?とか(きっと次回作で絡んでくるんだろうけど。じゃないと兄ちゃんも浮かばれないよ!)主人公が魔法動物の専門家であることの見せ場がトランクの中の飼育シーンだけじゃ勿体無くない?とか(アタクシはこっちの線から謎の正体に迫って行くのかと思ってましたわよ) …とまあこんな感じで言いたいことはたくさんあるんです。あるんですけども。

 

それ以上にですね、映画全体の雰囲気がなんか凄く良いのですよ。1920年代のニューヨークという設定が絶妙なのか、町並み・ファッション・ガジェット等々美術関係は軒並み高レベルで眼福。特にあのオフィス!メインホールは勿論、地下のズラッと無人のデスクが並ぶトコとか最高じゃないスか。紙のネズミがチューチュー仕事してるシーンなんて「西洋版式神!」とか興奮しちゃいましたわよ。

 

他にもニュート・スキャマンダー氏のトランクの中身。アレなんて子供の夢の具現化ですよ!それぞれの場所・季節の仕切りが書割りっぽく処理されてるのがたまらなくイイ。トランク関係のシーンはもっと観たかったなあ。

 

あとヒロイン。初登場時のなんとも野暮ったい感じから始まって、港での別れのシーンに至っては大変美しく魅力的になっておられてアタクシ色々と困っちゃう。女優さんってホントスゴいのねえ。

 

今回出てきた魔法動物たちのエピソードだけでもいくらでもスピンオフが作れそうだし、そっちはそっちで30分のアニメシリーズにして欲しいくらい。本篇は「魔法が使えるイケメン寅さん、第一次世界大戦前の世界を行く」みたいな感じで量産してくれると嬉しいなあ。

 

とまあこんな感じで、あくまで「ちょっといいですよ。ちょっとだけね」みたいな感じでオススメしたい一作なのであります。

 

 

しかし、こうなってくるとハリーポッターシリーズとそろそろ真剣に向き合わねばならん時期が来たということなんだろうか。ちなみに原作も読んでないし、映画も観たことないッス。好きな人は劇中で「魔法学校はホグワーツが一番」みたいな事言うシーンで「ヒュー!」とかなってるんでしょ?羨ましい。

 


映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』 予告編

 

『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』アートワークのすべて

『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』アートワークのすべて