my little underground

世を儚む地下生活者が珍文・奇文の類いを日々量産しています

DE DE MOUSE「drem you up」とアタクシ ~接触篇~

DE DE MOUSE「dream you up」が素晴らしすぎたから、気づくと大阪行きの新幹線チケットを購入していたのでした…

 

dream you up

dream you up

 

 


DÉ DÉ MOUSE / get you back MV -α version-

 

DE DEさんの新作が素晴らしい。前作で大きく広がった音楽性のエッセンスを取り込みつつ、DE DE流ダンスミュージックの最新形を提示してみせる手腕の鮮やかさたるや、シャッポを脱ぐ他ないのであります。

 

そんな素晴らしいアルバムを聴いたら当然ライブを観たくなるワケで。今回はドラム・ギター・ベースの編成でツアーを回るらしい。前回は完全ソロセット(アタクシはLIQUIDROOMで観た)だったから、今回のバンドセットは是非観たい。観たいぞ。


DÉ DÉ MOUSE dream you up tour 2017 ready!!

こんなリハ映像観たらそりゃライブ観たくなるって!

 

だがしかし、東京公演@代官山UNITが行われる4/28は既にNegiccoZepp DiverCityと被っているのであった。もうチケット押さえちゃってるよ!行けないじゃん! んじゃ次に近くで開催されるのは横浜…なんだけど横浜公演の5/14はD.A.N.@LIQUIDROOMと丸かぶり。がーん。こっちもチケット押さえてるんだよー(血涙)

 

こうなったら地方公演に賭けるしかない。5/1仙台…ダメだ。この日曜は忙しくて仕事休めそうにない。5/5札幌…ダメだ。5/6のTHE MATSURI SESSION@日比谷野外大音楽堂が観たくて率先して「自分この日仕事でますわー」なんて言ってしまったんだった(;´д`)トホホ… 5/26京都…ダメだ。この日はイキウメの新作公演「天の敵」のチケット買っちまった。ぐぬぬ。6/2福岡…ダメだ。翌日から東京ポッド許可局のイベント観に札幌行くんだった。ぐはっ。もうダメだー。

 

…5/12大阪。ココか?ココなのか?一応休みだし。翌日は仕事だけど。深夜バスで帰ってくればギリギリ仕事に間に合うかもしれんし。だかここでも問題発覚。東京着が早い深夜バスって大抵大阪発が21:00くらいなのね。ライブ開演が19:30だから、最後まで観たらバスに間に合わない可能性大ではないか!もうどないせいっちゅーねん!

 

ここで発想の転換。もう大阪で一泊して朝イチの新幹線で東京に帰ればイイのだ。通常の勤務なら始業に間に合わないけど、遅い勤務なら多少の余裕を持って間に合うハズ。もうこれしかない。これしかないんや!

 

というワケで各方面に頭を下げてスケジュール確保。即チケットを押さえに掛かる。ライブのチケットは無事入手に成功。新幹線と宿もなんとかなった。帰りの始発が取れるか不安だったけど、これも無事確保。イヤッホー!

 

さあ、これでスペシャルハードな5月第2週を迎える準備は完了。どうなることやら、乞うご期待!

 

 

 

THE MATSURI SESSION@日比谷野外大音楽堂を観る

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ZAZEN BOYSは現行のシーンの中でもしかしたら一番好きなバンドかもしれない。そのバンドを中心にMATSURI STUDIOに集いし怪人たちが一堂に会するイベントがあるならば馳せ参じなければならぬのです。しかも場所は数々の伝説を産んだ聖地・野音。古くはGASPとか(←分かりにくいボケ) まあとにかく一度は行ってみたい場所ではあったのです。というワケで5月にしてはやけに暑い日に行って参りましたよ。

 

 

ウチでダラダラしてたら出る時間が遅くなっちゃって、会場に着いたのがほぼ開演オンタイム。まだ日は高く、気温も高かったこともあって会場には既にいい具合に仕上がってる人多数。そもそも野外の会場でライブを観るのが初めてだったんだけど、成る程これはアルコール摂取してイイ心持ちで観るには最適なシチュエイションではないですか。これは野音に限ったことじゃないんだろうなあ。現代日本において野外フェスがここまで定着するのも納得だ。

 

席に着くやいなや一組目の吉田一郎不可触世界がスタート。実は今回のアクトの中で最も気になっていたのが彼なのだ。アルバムの出来が非常に素晴らしかったというのも勿論だけれども、ここまで詩世界が独特なものだったのが本当に驚きで、しかも向井秀徳ワールドとの親和性も高いと来ているから、町田のヤンキー氏からのベーシスト交代劇はもはや運命の糸に導かれていたとしか思えない。という期待の上でライブを観たのだけど、オケの上でスタインバーガーのベースを弾き散らかして、その上であの詩世界をポエトリーリーディング的に開陳するというモノ。曲数で言うと2曲?約10分で終了したのが本当に勿体無い。正直もっと観たかった。ワンマンとかやらないかなあ。

 

そしてほぼセットチェンジ時間無しで2組目のZAZEN BOYSスタート。それなりに広い野音のステージなのに、左側にギュッと固まって四畳半くらいのスペースにメンバー全員が向き合いながらのプレイ。カッコいい!アレンジかなり弄ってて既発曲なのに新鮮なことこの上なし。やはり現行最高のバンドであるとの思いを更に強くしたのであります。しかし5曲(多分)時間にして30分強程度で終了。正直食い足りない。でも他のアクトもいるし致し方なし。この飢餓感は7月のLIQUIDROOMで晴らせということなんでしょう。拙者、行けるか相当ビミョーなんですけど…。

 

3組目。LEO今井。初見。今井氏はMETAFIVEで観てたけど彼のバンドは初。ドラムが白根賢一。GREAT3の人じゃん!ギターの人のルックスがOK GOのベースの人的というか、かなり目を引く。あの服、一体どこに売っているのか。ああいうのをアスレジャーって言うんですかね?ドラムス除くメンバー3人がパーカッション打ち鳴らしてライブスタート。これもまた中々にカッコいい。今井氏のMCが心なしか向井氏の影響下にあるように聞こえてくるから不思議。発音のいい「thank you」と「ありがとう」が交互に聞けるのがなんかいい。ご両親は良い教育をされましたな。そしてラスト「TOKYO LIGHTS」の頃にはすっかり日が落ちており、周りの高いビルにはチラホラと明かりが灯っている状況下で聴くこの曲、最高であります。今度ワンマンも行ってみようかな。


LEO今井 - TokyoLights 2(東京電燈其二)

 

ここで3組目KIMONOSに入る前に吉田一郎不可触世界再登場。「暗渠」(名曲!)をキメてスッと去る。「暗渠」やっぱいい曲だ。でもKIMONOSに参加してミニマルなベースラインが曲を引っ張る「Mogura」演ってくれたらもっと嬉しかったんだけどなあ。


吉田一郎不可触世界 - 暗渠

 

で、KIMONOS登場。KIMONOSは以前de de mouseさんのレーベルnotのイベントで観たことがあるんだけど、今回はその時と違ってドラムに白根賢一氏が参加。生ドラムが入るとまたグッとライブ感増しますなあ。むせる程の80's New wave感、大好物です。タイムスリップしてA Certain Ratioaとか初期プリンスを観てる気分に。今井&向井の化学反応、そろそろ次の一手が観たいぞ。新譜マジお願いします。

 

そして最後、向井秀徳アコースティック&エレクトリック。ここではとにかく向井氏の歌力に完全に持って行かれる。何なんだあの説得力は。「赤とんぼ」のジミヘン的解釈とか良かったなあ。そして聴き覚えのあるイントロのギターから「…ヤバイ更にヤバイ バリヤバイ」…「ZEGEN vs UNDERCOVER」キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 隣りに座ってたお姉さま(見るからに相当な古参ファン)が我慢しきれず飛び上がって喜んでいたのが印象的。勿論アタクシもなんだかちょっとだけ泣く。続いて「Trampoline Girl」この時も「うわー何なんだよもう!」とか言いながら席に走っていく男性ファンを目撃。その気持ち分かります。2017年に圧倒的な歌力をもって再現されるいにしえの名曲たち。そりゃもう「うわー!」ってなりますわ。続くのが映画「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」の主題歌「天国」これもまたいい曲で生で聴けて最高であります。

www.youtube.com

 

全て終了した後、アンコールで参加メンバー全員による「kimochi」カシオマンの歌声、初めて聴いたぞ。会場全体が歌う「kimochi」最高じゃないですか。


ZAZEN BOYS - KIMOCHI (FACTORY)

 

多くのアクトが出演するから一つ一つのアクトの時間が短くなっちゃうのしょうがない。しょうがないんだけど、食い足りなく感じちゃうのは止められないのでそれぞれワンマンに繰り出すことにしましょうかねえ。まあそれはさておき、観たかったシーン・いい瞬間が沢山あって満足度の高いイベントでした。これはもう毎年の恒例にして頂きたいと切に願うものであります。

 

 

Negicco「SPRING 2017 TOUR ~ライブハウスのネギ~ supported by サトウ食品」Final@Zepp DiverCityを観る

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いや~まさか同じツアーを2度観に行くようになるとはねえ。日程的に可能であれば味園ユニバースにも行きたかったくらいだし。(まあストーン・ローゼズも最高でしたけども)

yukikaze-ox4.hatenablog.com

 

というワケで約1ヶ月ぶりのNegiccoを観に行って参りました。今回から発売される新しいステッカーが欲しくて会場90分前くらいにお台場着。すぐに物販コーナーへ行くものの、特に列があるワケでもなく、さくっと目当てのブツを査収。時間が余りまくったので近くのMEGA WEBへ。ここでも大はしゃぎすることになるんだが、それはまた別の話。

 

今回、割りと良番だったので早めにZeppの入り口付近へ。程なく入場開始。この時、前に並んでいた女性が「矛盾、始めました」の衣装を着た聖飢魔IIで言うところのメイク信者の方だったのでちょっと話を聞いてみた。衣装はもちろん自作とのこと。んがしかし、この衣装は生地が存在しないらしく、生地をオーダーするところからの自作とのこと。スゲー!「でもお高いんでしょ?」と聞いたら「でもちょっといいワンピース買ったくらいですよ」とのこと。いいワンピースが一体いくらなのかはさておき、「うーむ、愛だな」という感想が脳内を駆け巡る。で、今回のツアーの衣装はどうスか?と聞いたら、既に同じ生地を発見しているそうで「矛盾」より苦労しないで作れるそうです。加えて「服のシルエットも3人一緒なので楽」なんだそうです。確かに襟の部分とか細かく違ってたりするもんなあ。服飾系の人、マジスゲーっす。こういうのカッコいいねえ。

 

そんなこんなで開場から開演までの1時間という苦行を耐えてライブスタート。今回は新潟LOTSでやってたラジオみたいなアナウンスは無し。ちょっと残念。代わりというワケではないんだろうけどスタート時に今回のツアーの映像がスクリーンに映し出されて、その時に流れたメガミックスがかなりカッコよかった。作ったの誰だろ?

 

で、ライブ。ネギホーンズがスーツにタイ着用。Jazzのビッグバンドみたいにバンド名の入った台(何て言うんだ?アレ?)も設置されててゴージャス。しかもいつもの3名から6名体制へグレードアップ。それに伴い迫力も倍増。コレは大変素晴らしい。そしてKeyの女性もプラスオン。聞けばjizueの方だそうで。アタクシライブ観たことありますわよー。その彼女が要所要所でソロを決めまくる。フルバンドではないけれど、ライブならではのヴァイブスに満ち満ちており最高であります。そして出し惜しみせずゲストの堂島孝平様降臨!個人的には「劇団鹿殺しの『名無しの侍』に出てた人だ!」と秘かにブチ上がる…けれど今回は「愛かま」のプロデューサー様ですな。軽妙なトークでしっかり受けを取る姿は流石の一言。そして「愛かま」では華麗なステップを披露。Small Boysは伊達じゃない!そしてこの後には新潟LOTSにも出たSWAMP氏登場。今回もフリースタイルをブチかましてフロアを揺らしておりました。スゲえ。

 

今回、「矛盾」をピアノ伴奏のみで聴かせるスタイルにしてたけど、コレが中々良かった。元々ホーンが活躍するアレンジだけど、あえてピアノ1本にすることで歌詞が描く情景がより鮮明度を増すというか。keyが入ったライブでは定番にして欲しいなあ。もちろん他にも色々と書くべき点はあるんだろうけど、アタクシはニコニコ・キラキラしているステージ上の3人を観て多幸感に包まれていただけなので、詳細を知りたい方は他の音楽サイトとかもっと詳しい個人ブログを漁っておくんなせえ。

 

とは言えあと一点だけ。アンコール1曲めに披露された新曲。イントロがシューゲイズっぽいノイズギターから始まるド直球なギターポップじゃないスか?!し・か・も。これはイイものだ…などと余韻に浸っていたら手掛けたのはHomecomingsだっていうじゃありませんか!!!どうしてこうも自分の好きなモノが星座のように繋がっていくのですか?もしかしてアタクシ、もうすぐ死ぬの?マジで?もしくは既に水槽にプカプカ浮いてる脳みそオンリーみたいな存在に成り果てており、これは無理やり見せられてる夢だったりするのかしら?(←色々と飛躍し過ぎ)

 

「ティーフォースリー」にはHomecomingsともコラボしたことのある平賀さち枝さんが手掛けた「虹」(これもまた名曲!)が収録されていたけど、その辺の繋がりからのオファーなのかねえ?またいいトコに声掛けてますよ。スタッフさんGJ!こんなことされちゃうと次のアルバムへの期待がより高まってしまうではないか(えびす顔)

 

アンコール後にはNegiFES@新潟の開催も発表されたし、今後も楽しみが多くて困っちゃいますなあウフフ。ちゅーワケで多幸感に包まれてフワフワしながら家路についたアタクシなのでありました。おしまい。

spice.eplus.jp

natalie.mu

 

特別展「雪村 ~奇想の誕生~」@東京藝術大学大学美術館を観る

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以前、河鍋暁斎記念美術館へ行った時に見掛けたチラシで開催を知り、「奇想の誕生」なんてサブタイトル付けられたら行かないワケにはいくまいってなもんで上野公園の最奥の地、藝大美術館へ行って来ましたよ。

 

雪村。メインビジュアルにもあるようにゆきむらではなくせっそん。雪村周継がお名前ですな。当然アタクシ何も知りませんで、戦国時代の人で後のシーンに多大なる影響を残した奇想の人…程度の知識を詰め込んで現地に臨んでみましたが、まあ確かにコレは面白い。メインビジュアルにも使われてる「呂洞賓図」や「琴高仙人・群仙図」は言うに及ばず、他にも明らかなやり過ぎテイスト溢れる作品のオンパレード。いちいち細かい表情のおかしみから「その構図はどうなの?」とツッコまざるを得ないようなモノまで多種多彩。とは言えちょいちょい挟まる明らかにフツーの作品もあって、どうやらコレは当時のパトロンに「こういうの一つよろしく」と言われて描いた作品っぽい。芸術家が食っていくのって昔から大変なのね。

 

あと全然知らなかったのが尾形光琳との関係。勿論別の時代の人なので面識はなかったんだろうけど、光琳は雪村に相当影響を受けたらしく模写やら丸パクっぽい作品を結構残してるとのこと。そのワナビーっぷりにちょっと笑うものの、展示されてる光琳の作品からは雪村とは異なる上品さみたいなものが感じられて、もうちょっと針が振り切れるほどの影響を受けてたら後のシーンも相当異なる様相を見せたんだろうなあとか、琳派が存在しない歴史もあり得たのかもなんていう妄想がムクムクと。いや、でも急に雪村みたいな作品見せられたらガツーンとヤラれて然るべきだよなあ。

 

前期展示の作品の中に幾つか見たい作品があってそれを見逃しちゃったのは大失敗(行ったのは後期展示の期間中だったのだ)でもそれを補って余りある素晴らしい展覧会でした。最高。

 

sesson2017.jp

もっと知りたい雪村 ―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

もっと知りたい雪村 ―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)