ジャコメッティ展@国立新美術館を観る
例によって知識ゼロで観に行ってきた。だってしょうがないじゃない、広告ビジュアルに使われている「歩く男」が気になっちゃったんだもの。
序盤の若き日の作品は抽象度がエラく高くて、最早タイトルと実際のブツの大喜利状態というか「これはエラいところに来てしまったぞ」感が。そして物凄く小さいブツを作る時代を経ての、身体が細くて表面が波打ってるような代表的な作風に辿り着くようになってからの作品群にちょっとヤラれる。これはイイ。相当カッコいい。遠目だと煙が立ち上っているようにも見える。この人物像群、どうしてこうなっちゃったのか。でも抽象的かというと実際はそうでもなくて、人間だし・男だし・女だし…みたいなものは割とはっきり伝わってくる。ブロンズ像の展示以外のスケッチや絵画作品を見ていくと、たしかに表現に一貫した意志を強く感じるし「これを立体にするとああなるのか!」的な理解はかなり容易。特に目の周りの表現なんかは二次元も三次元も一緒。成る程納得感高し。あと絵画作品を見てると、表面的にはあまり共通項はないものの、何故か「寺田克也だ!」と思ってしまった。自分でもよく分からん。なんだろ?色調?ぐいっと厚く塗っていく感じ?
でも、見ていくとちょっと像に触れてみたくなる衝動がムクムクと湧いてくる。あの表面の触り心地がスゲー知りたい。子供だったら無意識に触ってたかも。嗚呼、分別のあるおじさんでよかった。いや、分別を吹き飛ばして触りに行っちゃう程の魔力を湛えてる方がスゴイのか(いずれにせよ触ったらお縄でやんす)
最後に。展示室内がエラく寒くてちょっとビビる。カーディガン持ってて良かったよ。
- 作者: 矢内原伊作,宇佐見英治,武田昭彦
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 1996/04/20
- メディア: 単行本
- 購入: 3人 クリック: 39回
- この商品を含むブログ (16件) を見る