my little underground

世を儚む地下生活者が珍文・奇文の類いを日々量産しています

「ご冥福ビーチフラッグ」なんて言葉がございますが…

「東京ポッド許可局」というラジオ番組から生まれたワードに「ご冥福ビーチフラッグ」なんて言葉がございます。先日の中野サンプラザでのイベントで発売された公式パンフレットに掲載されている「許可ダス」という用語集にはこんな語釈が付いております。

 

【ご冥福フラッグ】

有名人が死んだとき、本人と関わったことはないが、我先にと、SNSに「ご冥福をお祈りします」と書くこと。

 

ここ最近、若い時分から作品に触れてきたようなアーティストなどの死に触れる機会が多くなってまいりました。ただ単に自分が年を取っておっさんみを増した結果であることはもちろん承知しておりますが、やはり辛い時はホント辛い。あらゆることが手に付かないとまでは行かないが、それなりに呆然としてしまうことだってあるにはある。

 

そんな時にSNS上で上記のような「ご冥福フラッグ合戦」を目の当たりにしちゃうとさすがに…ねえ。しかも何故か薄い知識をベースにした自分語りのコンボに発展する機会が散見されるという。その件については本稿には直接関係ないので触れないことにしておきますが。

 

いや、別にいいんです。百歩譲ってきっとその方もお好きなんでしょう。理解できます。我ながら心が狭いと自嘲する日々であります。でも、ご冥福はひとり静かに祈りませんか。なんたってご冥福なんですから。

 

立川談志師匠はこんな言葉を残されています。

 

「上品とは欲望に対する動作のスローモーなやつのことを言う」

 

アタクシは、尊敬する方の死に際して「ご冥福を祈りたい!」という己の欲望にクイックに反応する様が、あまり上品な行為には思えんのです。

 

色んな考え方があると思うので「こうでなきゃダメ!絶対!」とは言いませんが、たまにはスローモーに悲しみを独り噛みしめるのもイイじゃありませんか。

 

恐れは暗黒面につながる。恐れは怒りに、怒りは憎しみに、憎しみは苦痛につながる。…なんてことを聞いたことが有りますので、戯言はこの辺りでお開きということで。