my little underground

世を儚む地下生活者が珍文・奇文の類いを日々量産しています

「くるりの20回転」と「くるりのこと」

 なんか今、ぱっと浮かんだくるりの好きな曲はコレかな。


宿はなし

 

アタクシとくるりの関係は古い。メジャーデビューの直前くらいにクイック・ジャパンの記事で読んだのがファーストコンタクトだったと思う。当時は「へんなバンド名だなあ」と思ったのと「Mr.Bigの『Green-Tinted Sixties Mind』が好き」という発言に「お!」って思った記憶がある。(当時(今もそうか)のロックジャーナリズム的なるものにはHM/HRと相当距離があったのです)

 


Mr. Big - Green Tinted Sixties Mind [LIVE]

 

そこから2006年くらいまではCD全部買ってた。でも「東京」は「Creep」の影響下にあるということには言われるまで気が付かなかったという。

 

その昔、「BUZZ」という雑誌のクラブイベントによく行ってて、サブフロアのDJに岸田くんが来てメタルばっかり掛けてたことを思い出す。そして意外と背低いんだな、なんてことを思ったり。Club Asiaで聴いたPANTERA、懐かしい。

 

このように大体は思い出話になってしまう。最近は熱心なリスナーではなかったのだ。そんな中で聴いた「くるりの20回転」、やはりいい。初期の曲を聴いてると当時のことが思い出されてセンチメンタル過剰。しょうがないじゃない、おじさんだもの。そして未聴だった最近の曲、これもまたイイのだ。年月を経たバンドによくあるような枯れたりシンプルになるのではなく、ナチュラルに過激とでも言おうか、不思議な風合い。凄いバンドだと思う。

 


くるり-Liberty&Gravity / Quruli-Liberty&Gravity

 

 

くるりのこと

くるりのこと

 

 

そして「くるりのこと」。これは宇野維正さんの的確過ぎるディレクションによるところ大な奇跡の名著だと思う。付かず離れず、バンドといい距離を保ったまま歴史を辿っていく。メンバーの入れ替わりが激しいという点に於いて毀誉褒貶の激しいバンドではあるけれど、そういった点に殊更フォーカスを当ててスクープに走るでもなく、かと言って全く触れずにスルーするでもなく、ある意味淡々としているけれどそこに深い物語が読み取れる。もっくんのコメントとかおっさんになった今読むとやっぱ泣ける。

(そういう意味では今のクリストファー・マグワイアのコメントとかちょっと読みたかったかも)

 

それなりに深く聴いてた頃のエピソードでも知らないことが多くて貪るように読んでしまう。98年組との関係や(特に向井秀徳のエピソードが最高!)2代目ドラマークリストファー・マグワイアに関するあれこれ、あらきゆうこのカッコよさ、達身さんの人となり、どれもホントいい。可能であれば好きなバンドにはこのレベルのバイオ本が出て欲しいと切に思う。ド新規から古参まで読んだファンがより深くバンドを愛せる奇跡の一冊。ちょっとでも気になったら読んだ方がよい。

 

そして『くるりの20回転』リリース記念ツアー<チミの名は。>発表。これは行かざるを得ないか。ちょうど今演ってる「Now & 弦」も絶賛の嵐みたいだし。チケット取れるかなあ。