my little underground

世を儚む地下生活者が珍文・奇文の類いを日々量産しています

奮闘馬石の会@池袋演芸場を観る

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遂に定席の寄席に足を踏み入れたぞ。

 

サンシャイン劇場で「名なしの侍」を観た後、ちょいとアルコールを摂取してから池袋演芸場で「奮闘馬石の会」を観てきた。

 

開口一番は柳亭市丸さんの「金明竹」。前半部を省くパターン。奇しくも先々月の渋谷らくごで馬石師匠の「金明竹」を観てたからついつい比べてしまう。ここからどうやって自分の独自性を積み上げていくかが真打ちへの道ってことなんだろう。噺家は大変だ。

 

馬石師匠は「汲み立て」「船徳」「お初徳兵衛」の三席。

 

「汲み立て」は初めて聞いた噺だったけど面白かった。男の嫉妬がヘンな方向へ転がっていく。唐突なスカトロオチに笑う。

 

船徳」予想通り馬石師匠と噺のスイング感がヤバい。超面白い。渋谷らくごで観た春風亭正太郎さんの「船徳」より若旦那徳兵衛の性格が気弱な感じに設定されてるような感じ。客を舟に乗せてから急に怒ったりするギャップがより面白みを醸し出してた。

 

「お初徳兵衛」ここで痛恨事。会に来る前、ビールに加えて普段ほとんど飲まない日本酒なんぞに手を出した結果、この時点で脳内がかなりいい塩梅に仕上がってしまい噺の半分程度を夢のなかで過ごすハメに。やっちまったよ…スゲーイイ噺っぽかったのに。

 

 

落語って「あのバンドがワイの好きなあの曲をカバーしたら絶対ハマるのに~」みたいな妄想が具現化しやすいジャンルなのかも…などと今日の「船徳」を観ててつらつら思う。「馬石師匠の『船徳』面白えだろうなあ。ダブルヘッダーキツいけど観といたほうがイイよなあ」と迷いつつ足を運んだのだけれど、結果大正解だったし。

 

観る(知ってる)落語家さんが増えていって、知ってる噺も増えていけば組み合わせは無限に広がる。そんなの楽しいに決まってるよ。