my little underground

世を儚む地下生活者が珍文・奇文の類いを日々量産しています

「馬琴と国芳・国貞」展@太田記念美術館を観る

f:id:yukikaze_ox4:20170716222425j:plain

ここ数ヶ月ご無沙汰しておりましたが、また国芳が拝めるということで久しぶりに太田記念美術館へ行ってきた。

 

滝沢馬琴というか曲亭馬琴。「南総里見八犬伝」の作者ということしか知らんけど、その「八犬伝」も実はちゃんと知らないという。アタクシの幼き頃に角川映画版が公開されていた記憶がうっすらあるので、何となく玉梓とか伏姫なんていう登場人物の名前には覚えがあるような、まあその程度。あと小~中学生くらいの頃にOVA版があった気がする。当時はNewtype読者だったので、発売スケジュールが伸び伸びになっていったのをリアルタイムで目の当たりにしていたのですよ。その後、完結ってしたのかな?

 

そんなこんなで「八犬伝」と「椿説弓張月」を中心に国芳・国貞が手掛けた馬琴に関する作品を集めたこの展覧会、いやはや中々に壮観でありましたよ。

南総里見八犬伝 - Wikipedia

椿説弓張月 - Wikipedia

 

やはり「八犬伝」も「弓張月」も内容が内容だけに国芳との相性がちょっと良過ぎる。芳流閣を描いた作品は特に構図やらモブの表情やら全てが最高。ちょっと広角な画面設定はどこからの着想なのかなあ。

 

国貞は解説によると国芳が武者絵でブレイクして以降、そちらのジャンルに手を出すことは殆どなかったそう(弟弟子に任せていたということらしい) だけど役者絵の一環として馬琴関連の作品を相当数残しているそうな。構図も国芳に負けず劣らずフレッシュなモノばかり。同門による切磋琢磨美しい。

 

面白いのは国貞の作品はあくまで役者絵なので、配役が変わると同じ絵の顔部分だけ差し替えて新作にしちゃうところ。別の作品を同じ役者で比べてみると、ちゃんと同じ顔になってるんだよなあ。こういうの面白い。まあ広告としての機能を求められてるんだから当たり前なのか。どの作品を見ても明らかにロンパってる市川海老蔵とか実際もこういう風貌の人だったんだろうねえ。坂東しうかという役者さんは国貞の絵で見る限り相当個性的なお顔立ちに見えるけど、写真とか残ってたら是非見てみたいものであります。

 

ちゅーワケで今回もしっかり堪能させて頂きました。8月と9月には二ヶ月連続・テーマを変えての月岡芳年特集が組まれているらしいので今からワクテカが止まらない。みんなも行こう太田記念美術館

 

www.ukiyoe-ota-muse.jp

www.ukiyoe-ota-muse.jp