シベリア少女鉄道「たとえば君がそれを愛と呼べば、僕はまたひとつ罪を犯す」@赤坂RED/THEATERを観る
とりあえずタイトルが長い。それはさておき、前回公演にはとにかく衝撃を受けて周りの人に「アレはヤバい」みたいなことを吹聴して回ったのはいい思い出。そして今回も期待を軽く上回る面白さでございました。
ベタな物語が静かにかつゆっくりと語られつつ、作者のニヤニヤ笑いをうっすら感じさせる悪意の種がそこかしこに蒔かれていく前半部。そしてその種が一気に発芽して世界がバグり、完全な地獄を現出せしめる後半部。特筆すべきはこの地獄が抱腹絶倒と共に有るという、より救いのない地獄であるということ。いやあもう堪らんですよ。完全にフラグ管理が破綻したゲーム世界というか、特に最終盤はそのテの仕事をしている人にとっては爆笑しつつ号泣するというか、ワケの分からん感情に脳みそを支配されちゃうんじゃないかなあ。
毎度のことながら、こんなメンドくさい脚本をよく纏められるなと驚きつつ、それを実際に演じてみせる役者陣にはシャッポを脱ぐ他ない。ラストのピタゴラスイッチ的展開にハラハラしつつ、その後にやってくる「しょうもな!」という感情とカタルシス。こんなの他では絶対に観られないと思う。最高です。