THE MATSURI SESSION@日比谷野外大音楽堂を観る
ZAZEN BOYSは現行のシーンの中でもしかしたら一番好きなバンドかもしれない。そのバンドを中心にMATSURI STUDIOに集いし怪人たちが一堂に会するイベントがあるならば馳せ参じなければならぬのです。しかも場所は数々の伝説を産んだ聖地・野音。古くはGASPとか(←分かりにくいボケ) まあとにかく一度は行ってみたい場所ではあったのです。というワケで5月にしてはやけに暑い日に行って参りましたよ。
To-y 30th AnniversaryEdition 1 (小学館クリエイティブ単行本)
- 作者: 上條淳士
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2015/12/21
- メディア: 単行本
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ウチでダラダラしてたら出る時間が遅くなっちゃって、会場に着いたのがほぼ開演オンタイム。まだ日は高く、気温も高かったこともあって会場には既にいい具合に仕上がってる人多数。そもそも野外の会場でライブを観るのが初めてだったんだけど、成る程これはアルコール摂取してイイ心持ちで観るには最適なシチュエイションではないですか。これは野音に限ったことじゃないんだろうなあ。現代日本において野外フェスがここまで定着するのも納得だ。
席に着くやいなや一組目の吉田一郎不可触世界がスタート。実は今回のアクトの中で最も気になっていたのが彼なのだ。アルバムの出来が非常に素晴らしかったというのも勿論だけれども、ここまで詩世界が独特なものだったのが本当に驚きで、しかも向井秀徳ワールドとの親和性も高いと来ているから、町田のヤンキー氏からのベーシスト交代劇はもはや運命の糸に導かれていたとしか思えない。という期待の上でライブを観たのだけど、オケの上でスタインバーガーのベースを弾き散らかして、その上であの詩世界をポエトリーリーディング的に開陳するというモノ。曲数で言うと2曲?約10分で終了したのが本当に勿体無い。正直もっと観たかった。ワンマンとかやらないかなあ。
そしてほぼセットチェンジ時間無しで2組目のZAZEN BOYSスタート。それなりに広い野音のステージなのに、左側にギュッと固まって四畳半くらいのスペースにメンバー全員が向き合いながらのプレイ。カッコいい!アレンジかなり弄ってて既発曲なのに新鮮なことこの上なし。やはり現行最高のバンドであるとの思いを更に強くしたのであります。しかし5曲(多分)時間にして30分強程度で終了。正直食い足りない。でも他のアクトもいるし致し方なし。この飢餓感は7月のLIQUIDROOMで晴らせということなんでしょう。拙者、行けるか相当ビミョーなんですけど…。
3組目。LEO今井。初見。今井氏はMETAFIVEで観てたけど彼のバンドは初。ドラムが白根賢一。GREAT3の人じゃん!ギターの人のルックスがOK GOのベースの人的というか、かなり目を引く。あの服、一体どこに売っているのか。ああいうのをアスレジャーって言うんですかね?ドラムス除くメンバー3人がパーカッション打ち鳴らしてライブスタート。これもまた中々にカッコいい。今井氏のMCが心なしか向井氏の影響下にあるように聞こえてくるから不思議。発音のいい「thank you」と「ありがとう」が交互に聞けるのがなんかいい。ご両親は良い教育をされましたな。そしてラスト「TOKYO LIGHTS」の頃にはすっかり日が落ちており、周りの高いビルにはチラホラと明かりが灯っている状況下で聴くこの曲、最高であります。今度ワンマンも行ってみようかな。
ここで3組目KIMONOSに入る前に吉田一郎不可触世界再登場。「暗渠」(名曲!)をキメてスッと去る。「暗渠」やっぱいい曲だ。でもKIMONOSに参加してミニマルなベースラインが曲を引っ張る「Mogura」演ってくれたらもっと嬉しかったんだけどなあ。
で、KIMONOS登場。KIMONOSは以前de de mouseさんのレーベルnotのイベントで観たことがあるんだけど、今回はその時と違ってドラムに白根賢一氏が参加。生ドラムが入るとまたグッとライブ感増しますなあ。むせる程の80's New wave感、大好物です。タイムスリップしてA Certain Ratioaとか初期プリンスを観てる気分に。今井&向井の化学反応、そろそろ次の一手が観たいぞ。新譜マジお願いします。
そして最後、向井秀徳アコースティック&エレクトリック。ここではとにかく向井氏の歌力に完全に持って行かれる。何なんだあの説得力は。「赤とんぼ」のジミヘン的解釈とか良かったなあ。そして聴き覚えのあるイントロのギターから「…ヤバイ更にヤバイ バリヤバイ」…「ZEGEN vs UNDERCOVER」キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 隣りに座ってたお姉さま(見るからに相当な古参ファン)が我慢しきれず飛び上がって喜んでいたのが印象的。勿論アタクシもなんだかちょっとだけ泣く。続いて「Trampoline Girl」この時も「うわー何なんだよもう!」とか言いながら席に走っていく男性ファンを目撃。その気持ち分かります。2017年に圧倒的な歌力をもって再現されるいにしえの名曲たち。そりゃもう「うわー!」ってなりますわ。続くのが映画「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」の主題歌「天国」これもまたいい曲で生で聴けて最高であります。
全て終了した後、アンコールで参加メンバー全員による「kimochi」カシオマンの歌声、初めて聴いたぞ。会場全体が歌う「kimochi」最高じゃないですか。
ZAZEN BOYS - KIMOCHI (FACTORY)
多くのアクトが出演するから一つ一つのアクトの時間が短くなっちゃうのしょうがない。しょうがないんだけど、食い足りなく感じちゃうのは止められないのでそれぞれワンマンに繰り出すことにしましょうかねえ。まあそれはさておき、観たかったシーン・いい瞬間が沢山あって満足度の高いイベントでした。これはもう毎年の恒例にして頂きたいと切に願うものであります。