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my little underground

世を儚む地下生活者が珍文・奇文の類いを日々量産しています

映画『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』を観る

なにやらちょっと話題になってると風の噂で聞きまして、んじゃちょっくら都内の劇場まで観に行こうかなあ…なんて考えてたら近所のシネコンでの上映が始まったので、これ幸いと早速観に行って参りました。

eyesky.jp

 

事前の 薄らボンヤリとした情報では「ドローン操縦者の苦悩」みたいなストーリーなのかなと思ってたら、いい意味で裏切られましたわ。これは大変素晴らしい「会議室映画」だ!

 

「会議室映画」については細かく定義しませんけど、字面的に伝わるでしょ?2016年には「シン・ゴジラ」という会議室映画の傑作がありましたけど、まあようするにああいう感じの映画ですよ。

 

事件の現場であるナイロビは言うに及ばず、作戦指揮を執るイギリス某所、政府関係者の集まるロンドン、ドローン操縦者のいるラスベガス、画像解析班のいるハワイ等々…世界中のエアコンの効いた会議室での出来事が等価値に進んでいく。

 

始めは捕獲か殺害かで揉めていたはずが、気づくと周囲への影響の確率が50%以下か否かという数字だけが問題にされているという状態へシームレスに移行している事実。なんかアタクシこれ見てゾッとしてしまいましたわ。ただ、想像するにこういう場面は戦争末期の大本営では日常の出来事だったんだろうなあ…なんてことをボンヤリ考えつつ、この感じに既視感ががあるのは負け戦が確定的な状況下における営業会議ってこんな感じだよなあ、なんてイやなことを思い出してみたり。「パト2」の後藤隊長もこんなこと言ってましたよ。

 

戦線から遠退くと楽観主義が現実に取って代る。そして最高意志決定の場では、現実なるものはしばしば存在しない。戦争に負けている時は特にそうだ。

会議室では「パン売りの少女」のような現実は、法解釈なる言葉の前に存在さえ許されないということなんでしょうねえ。

 

とは言えドローン操縦者のギリギリの良心みたいなものに少しだけ希望を見出すアタクシはロマンチストに過ぎるでしょうか。

 

会議室映画的テイスト以外にも、ターゲットが潜む家に侵入するシークエンスはプレ「攻殻機動隊」感があったりと、異常なまでの緊張感と共にまだまだ見どころ満載。去年亡くなったアラン・リックマンに捧げられた本作、ルックは多少地味だけどそれ以上に緊張感の持続のさせ方が上手くて飽きさせないので、マジおすすめでございます。

 

最後に「パト2」の荒川の台詞を。本作も「パト2」も「モニタの向こうの戦争」というテーマではかなり近い作品と言えますな。

この街では誰もが神様みたいなもんさ。いながらにしてその目で見、その手で触れることのできぬあらゆる現実を知る。何一つしない神様だ。神がやらなきゃ人がやる。いずれ分かるさ。俺達が奴に追い付けなければな。

 

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