my little underground

世を儚む地下生活者が珍文・奇文の類いを日々量産しています

J2最終節 愛媛FC vs FC町田ゼルビア@ニンジニアスタジアムを観る

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なんだかんだで毎年行ってるニンジニアスタジアム詣で。今年も最終節にギリギリ滑り込みで行ってきた。

 

今回の試合のことを書く前に、まずは木山監督のことを書いておかねばなるまい。

 

粉飾決算発覚でクラブ史上最大の危機の中、愛媛に来てくれた木山さん。キャンプに出る予算もない中、毎年恒例の夏場の失速をさせないフィジカルを作り上げ、先制されてもへこたれないメンタルを植え付け、クラブ史上に残る連勝記録とプレーオフ進出を成し遂げた木山さん。今年は去年に比べてたしかに順位は落としたけど、それでも今までクラブになかった「継続性」という、ある意味貧乏クラブにこそ必須のファクターをもたらし、去年以上の戦う集団を作ってくれた木山さん。

 

正直言ってレンタル組の帰還はそれなりに覚悟していたけど、まさか監督が真っ先に抜かれることになるとは…正直大ショック。でもこれがサッカーライフの現実。良いオファーがあればそちらを選ぶのは当然だし、それを上回るオファーを出せない時点で別のレイヤーの戦いに負けているワケで。

 

ただ幸せなのは、サッカーにおける別れというのは往々にしてネガティブなトーンを帯びがちなものだけど、今回は幸せな記憶と共に別れることが出来るということ。っていうかもうそう言うしか無いのだ、我々は。木山監督、本当に2年間ありがとうございました。新天地でのご活躍を期待しております。勿論愛媛戦以外で。

 

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こんな状態で観に行った今回、選手バスの到着時に監督のチャントが歌われるのを聴いただけで正直胸がいっぱいでもうヤバい。実際、アタクシのすぐ前に居た初老の男性は結構な勢いで泣いていて、隣の奥様に慰められていたのであった。気持ちは分かるよ同志諸君。

 

で、試合。これがいけない。町田のプレスに苦しみボールを前に運べない。肝心な所でミス連発。苦し紛れのロングボールも収まらない。サイドのスペースも全然使えない。噛み合わない時の愛媛になっておりました。それでもギリギリ踏み止まっていたけど、FKの跳ね返りを李漢宰にゴラッソ決められて0-1。うーむ、むべなるかな。

 

後半は若干持ち直したものの、やはりシャドーにはボールが入らないし、距離感が悪くことごとくボールを奪われてキープできない。あれだけカラ回る息吹を観たのは初めてかも。惜しいシーンも有るにはあったけど、それでも必然の0-1で敗戦。最後の玄太の退場はご愛嬌か。木山愛媛は有終を飾れすに終わってしまったのでありました。無念なり。

 

 

そして最終戦セレモニー。せっかくなので観ていくことにする。

 

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まずは豊島社長の挨拶。目標のプレーオフに届かなかったことについては謝罪しないが、木山監督を引き止められなかったことについては申し訳ない、と頭を下げる姿にもう涙腺結界。そうなのだ。豊島社長もクラブの危機の際に火中の栗を拾うように社長に就任してくれた大恩人。そしてオレンジ色のハチマキを巻きサポーターと談笑するお姿をアウェイのスタでもよくお見かけすることでも分かるように、クラブを心底愛してくださっている。そんな人の口からこんな言葉を聞いたらそりゃ泣きますよ。

 

そして木山監督の挨拶も、途中で言葉に詰まる瞬間に2年間の思いが伝わってきてもう号泣。嗚呼、あと1年だけでもいいからこの人が率いる愛媛FCが観たかった…

 

その後、ゴール裏での記念撮影に最後尾で収まる。グラウンドにいる選手たちを見ていると、河原と瀬沼が肩を組み写真を撮っていて瀬沼は泣いているようにも見えた。瀬沼、清水帰っちゃうのかな…(´Д⊂グスン でもこれがサッカー。今後はこの手のニュース目にする機会も増えるだろう。今シーズンはこれで終わり、あっという間に来シーズンがやってくる。来年、愛媛FCはどうなってるんだろうか。