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my little underground

世を儚む地下生活者が珍文・奇文の類いを日々量産しています

長嶋有「猛スピードで母は」を読む

姉から「アンタこういうの好きそう」という一言と共に貸してくれたので読んでみた。 

猛スピードで母は (文春文庫)

猛スピードで母は (文春文庫)

 

 読み終わった後、最初に思い出したのは「忘れ得ぬ人々」のこと。

 

「忘れ得ぬ人々」ってのはTBSラジオ「東京ポッド許可局」内のコーナーで、Wikipediaにはこんな解説が載っている。

 

忘れ得ぬ人々
ふとしたとき、どうしているのかな?と気になってしまう、自分の中に爪跡を残している。でも、連絡をとったり会おうとは思わないそんな「忘れ得ぬ人」を送るコーナー。

 

 この文庫本に収められている二編「サイドカーに犬」「猛スピードで母は」の両方共、小学生の視点から大人たちの人生の一部が描かれる。そこに登場してくるキャラクターたちとの関係性の絶妙な距離感が何というか、堪らんのです。

 

サイドカーに犬」の洋子も「猛スピードで母は」の慎一も、確かに語り手たる薫や慎の心に爪痕を残しているんだけど、わざわざ連絡を取るほど長い期間を過ごしたかというとそんなこともない。そしてその後を知ったところで大したオチが付くことでもないような予感がある。とにかくその余韻の匙加減が心地よくて、つい一気読みしてしまった。

 

ブルボン小林著作は読んだことあったけど、本業(?)の方は未読だったのでこれを機会に他の本も読んでみようと思う。

 

そして我が姉よ。いい本を教えてくれてありがとう。

 

サイドカーに犬 [DVD]

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