映画「ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK ‐ The Touring Years」を観る
もうマジ最高。確かにある程度のリテラシーは要求されるかもしれないけど(人気出過ぎてライブできなくなっちゃった、とか)、とにかく映画館でこの4人のアイドル(そう!アイドルなのだよ諸君!)の青春期における一挙手一投足に宿る過剰な多幸感に打ちのめされて欲しい。
もちろんこの幸福な時間は永遠ではなく、程なく破局が訪れることになることは未来人たる我々にとって当然の知識ではあるんだけど、彼ら4人には本当に多岐に渡る記録が今も残されていて、それが最新の技術で鮮明に蘇るのを目の当りにすると、あらゆる人生にだって短い期間かもしれないけど眩く輝く瞬間があるのではないか、大袈裟ではあるけれど人生はもっと肯定されるべきなのではないか、なんてことをちょっと考えてみたり。ネガティブ思考の肥溜めに肩まで浸かって「いい湯だな~♪」なんて嘯いてるアタクシには珍しい方向で思考が暴走してしまう、素晴らしい映画でございました。
もちろんこんな真面目な側面だけではなく、4人がワチャワチャしながら色んな事をしてる姿を見てるだけで、アタクシの中の錆びついた乙女回路が通電してしまうという事実。それだけのパワーがこの映像には満ち溢れているのであります。ステージで1本のマイクスタンドを分け合って歌うジョンとポールの立ち姿の決まりっぷりときたら!もう堪らんですよ!
本篇上映後のシェイ・スタジアムでのライブを観てると「もしこのままライブバンドとしてのビートルズが存在していたら?」みたいな世界線をどうしても妄想せずにはいられない。この映像には50分の完全版が存在するみたいなので、いずれそっちも観てみたいところ。
あと、こういう映画こそ爆音上映やキャーキャー金切り声OK上映、さらには失神OK上映(医師待機)みたいな企画を実行して頂きたいと切に願うものであります。