my little underground

世を儚む地下生活者が珍文・奇文の類いを日々量産しています

「驚きの明治工藝」展@東京藝術大学大学美術館を観る

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CINRA.NETに記事を見て俄然興味が湧いたので行ってきた。藝大の美術館へ行くのは久しぶりだ。

 

www.cinra.net

 

入ってすぐのデカい龍の自在置物にいきなりガーンとヤラれる。自在置物ってのは一言で表すなら鉄で作った一点モノのアクションフィギュアだ。江戸時代が終わり明治期に入ると甲冑やら刀剣の細工物を作ってた職人たちが仕事にあぶれ、代わりに技術を活かして作り始めたのがコレ、ってのがルーツらしい。龍やらグニョグニョ動かせる蛇とか、展示されてる自在置物はどれもホントスゴいんだけど、鳳凰とか伊勢海老までは分かるとして、鯉とか果てはテナガエビまで作ってるのを見ると「何でそこ?」とか多少の疑問が浮かんでは消えたりするのを押さえきれないのは致し方があるまい。派手だったり縁起が良いものばかり作った結果、急に日常に回帰したくなった職人さんでもいたのだろうか。

 

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他にも木を素材に「竹とそこに乗ったトカゲ」を彫り出したモノとか(別パーツにしないところに技術の無駄遣い感がスパークしてる!)牛の角を素材にした塩鮭のフィギュアとか「スゴいけど、なんで?」のオンパレード。後に政府の方針で伝統工芸品の輸出が盛んになって来ると、色んな方向に針が振り切れてる作品がドンドン世に出てくるようになったみたい。やはり「明治」という時代の空気と異文化に触れる機会が増えたことがベースにあるのだろうか。そんな中でも、なんかちょっとしたカワいらしさがあったりポップな感覚がほの見えたりするところが展示を見てるとたまらない。

 

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この狸なんてもうそのまんまフィギュアとして売れるレベルだと思うのはアタクシだけじゃ無いハズ。こいつから滲み出るポップなヴァイブスいいでしょ?「うわ!」とか言いながらニヤけちゃう感じ。いや~たまらん。

 

60分から90分もあればすべての展示をじっくり楽しめると思う。ちょっと気になった方はまだ間に合うので足を運ぶべき!

 

www.asahi.com