my little underground

世を儚む地下生活者が珍文・奇文の類いを日々量産しています

ヨーロッパ企画「来てけつかるべき新世界」@本多劇場を観る

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前回公演「遊星ブンボーグの接近」が大変面白かったので、今回も行ってきた。

 

おそらくは近未来、ディープ大阪の串カツ屋を舞台に、商店街を飛び回る出前ドローン、路地裏を徘徊する野良ガードロボ、盗撮ドローンのネット流出動画によって急落する食べログの評価、家族として迎えられたもののラッダイト運動によって破壊されたロボがクラウドのバックアップによって復活した時の曰く言い難いモヤモヤ、古いパーマの機械に宿るVRファム・ファタール、炊飯器が相方の漫才師、ドローンによるバーチャル観光、マインドアップロードにより一人が二人になる地元の歌姫(頭にビリケンさん装備)、美味しいイタリアンをリーズナブルな価格で全銀河に提供しようとする某外食チェーン、シンギュラリティを阻止し某外食チェーンのペルセウス銀河エリアマネージャーとして旅立つネット上に存在する亡くなった母親の残留思念…等々要素を書き出しただけでも頭からでっかいハテナがニョキッと飛び出るけれど、この混沌が滅法面白い。

 

コテコテを更に煮染めて最早何色か分からない、と言った風情の大阪原人たちの口から「哲学的問題」とか「ディープラーニングの果て」といったセリフが串かつ片手に連発されれば成る程面白くないワケがない。とは言えこういった状況はもうホントすぐそこまでやって来てる訳で。老若男女がスマホ片手に目に見えない電脳レイヤーに存在するモンスター的なる何かを求めて右往左往してる今日現在を10年前の人に説明したとしても、おそらくは「え?!未来ってそんな感じなん?」と鼻で笑われるのがオチだろう。が、得てして未来なんつーモノはこんな感じで我々の前に立ち現れてくるのであって、いざそういった場面に遭遇しても「この道はいつか来た道」と泰然自若とした態度を取る余裕を持ちたいものだ、などど舞台を見て思った次第。

 

兎にも角にも涙が出る程笑わせて頂きました。早くも次回公演が楽しみに。本公演は今日が東京最終日だったけど、暫くは全国ツアーするそうなので、気になった方は是非劇場へ足を運ぶが宜しかろう。

 

あと、初めて行った本多劇場。雰囲気はいいし見やすいし最高。来週は月刊根本宗子の公演を観にまた行きますぞ。

 

www.europe-kikaku.com

 

ヨーロッパ企画の本 我々、こういうものです。

ヨーロッパ企画の本 我々、こういうものです。

 

 

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