国芳ヒーローズ「水滸伝豪傑勢揃」@太田記念美術館を観る
たまたま見掛けたポスターがあまりにもカッコよかったので行ってきた。
ちなみに水滸伝に関する知識は「横山光輝版を読んだことがある」ことと「今川泰宏のOVA版ジャイアントロボに出てくるキャラに水滸伝のキャラが数名混ざっていることを知っている」程度のレベル。あ、あと歌川国芳については「名前は聞いたことがある」レベルで、浮世絵に関してもわざわざ美術館まで見に行ったことはない。つまり水滸伝も浮世絵も全然知らないド素人であります。
太田記念美術館、東京メトロ明治神宮前駅の5番出口を出たらすぐ看板があるので迷わず到着。立地のせいなのか、はたまた浮世絵専門の美術館だからなのか、海外からのお客さんの姿がちらほら。どの世界にもマニアは居るものだ。割りかし小じんまりした美術館だけど、B1Fから2Fまでの3フロアに渡ってかなりの点数が展示されていた。
で、展示。これがホントカッコいい。今のマンガを読んでる感覚から見ても相当カッコいい豪傑というかヒーローたち。力強いポーズや筋肉描写は「刃牙」とか「ジョジョ」あたりをどうしたって連想させる。着物の柄なんかもイチイチ気が利いてて、恐ろしい顔をして見栄を切ってるオッサンの着物の柄がカワイイにゃんこちゃんだったりして、見れば見るほど面白い。
そして作品の横でちょいちょい見掛ける「原典にこういう場面はない」という解説文。国芳さん、筆乗りすぎ!!!(笑)それだけ自分の趣味趣向と「水滸伝」という題材がバチッと合っちゃったってことなんだろう。実際、この展覧会で展示されている「通俗水滸伝豪傑百八人之一個」というシリーズを世に問うたことで、国芳は「武者絵の国芳」として一気に表舞台へ乗り出していったそうな。
「筆乗りすぎ!」問題はパロディ(「狂画水滸伝」)やら女体化(「風俗女水滸伝」)に至る始末。国芳さん、アンタどんだけ水滸伝好きなんだ(笑)もちろん版元からの要請が先にあったからなんだろうけど、実は
国芳「最近こういう落書きしてまして…」
版元「どれどれ…エエやないか!次、コレで一冊行きましょ!」
みたいなやり取りが打ち合わせの席上で行われていたような気がしてならない。嗚呼、世に二次創作のネタは尽きまじ。
というワケで大変楽しませて頂きました。10月に入ったら展示替えがあるそうなので、来月また行こうかと思います。なんたってポスターのメインビジュアルになってる張順の絵は後期展示なんだもの。そりゃ行きますってば!
もっと知りたい歌川国芳―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)
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